2010年06月11日
春の雪
上記の映画の続編はいつ製作されるのでしょうか。私が当時『春の雪』制作発表の報道に接したとき、激しく興奮したのは、『春の雪』制作発表自体よりもその続編『奔馬』の制作も計画されていると一人合点したからでした。三島氏の作品といえば『潮騒』、『金閣寺』など政治色のない作品が教科書の年表にも登場しますが、三島氏の長編で「どれか一つ選べ」と言われれば、私は迷わずこの『奔馬』を挙げます。前半で展開するヒロイン槇子と主人公勲との清廉であるが濃密な恋愛劇、後半で展開する法廷劇の息詰まる心理描写、そしてそこに効果的に立ち現れてくる主人公勲の前世からの「縁(えにし)」、それらを三島氏の持つ華麗な小説技巧と論理的文体の強靭な推進力で見事に纏め上げた傑作の一つとしてもっと評価されて良いように思うのです。主人公勲は昭和初期の國學院に在学するいわゆる「極右」の学生ですが・・・。いずれにしろ、氏が占領下に24歳で発表した『仮面の告白』に登場する初恋の人「園子」のモデルとされた人物(ネット上の検索でヒットする人物とは別人 出典 )を知っていて読むと思想や政治色は抜きにして、『春の雪』から『奔馬』へと続く流れはまた別の清新な色合いを帯びてきます。
短編で「どれか一つ」と問われれば、躊躇なく『英霊の聲』を挙げます。
「真の勇気とはと敵艦に体当たりした特別攻撃隊の英霊が語る「聲」では日本語の持つ迫真性に戦慄し、
見ることだ
見ることだ
見ることだ」
「などてすめろぎはひととなりたまひし」
という有名な結句に日本語の持つ情念の深さを知りました。とくにこの「などて・・・」という有名な結句は英霊が上御一人に発しているのではなく、私たち「戦後日本人」に向けて発せられているように思えます。今年は三島由紀夫氏没後40年です。
【お知らせ】
第7回丸坊主サロン
◆講演テーマ 「民主党を不当に除名された、現職都議会議員が語る 偽装マニフェストの真相!」
◆ゲスト 土屋敬之 東京都議会議員
◆日時 6月12日 土曜日 14:00〜16:00
◆場所 戸井田とおる事務所2階(姫路市本町68大手前第一ビル)
◆参加費 2,000円【お一人様】
<お申し込み・お問い合わせ先>
戸井田とおる事務所
TEL. (079) 281-7700
FAX. (079) 281-7707
E-Mail: info@toidatoru.com (@は半角にしてください)
戸井田とおる氏と土屋敬之氏は中学高校の同級生だそうです。
日本会議兵庫 中・西播磨支部では下記の学習会を予定しています。
日本会議兵庫 中・西播磨支部 平成22年度第2回学習会
【親子で学ぼう日本文化】
内容: 「 「立志」を野口英世に学ぶ 「勉学」を勝海舟に学ぶ」
日時: 6月26日(土)14:00〜
場所: 姫路護国神社白鷺宮参集殿
会費: 一般・学生500円 中・高校生200円 ※別途テキスト代
Posted by けろっぴ at 03:34│Comments(0)